HG・SS 語っちゃいます! その4
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開発部サウンドの一之瀬です!
ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー(以下HG・SS)
ではサウンドリーダーを務めました。 「HG・SS語っちゃいます! その4」という事で、
HG・SSのサウンドのアレンジについてお話しします。
今回は語りたいことが沢山あるので長くなります。
サウンドにご興味のある方はお付き合いねがいます。 ■街は情景・道は心情■ ポケモンの道路の曲を作るにあたって
増田から伝承して貰った作曲をする上での考え方があります。
それは、冒険が進み遠くに行けば行くほど
道の音楽は壮大になっていくという考え方です。
この構造を私は、主人公の「心情」を表していると理解しています。 初めは、冒険初めの主人公は右も左も解らず
「ランランラン♪」と軽い気持ちでも、
ポケモンリーグに近づくにつれ逞しく
壮大な気持ちになってくるであろうからです。 また、町の楽曲に関してはその町の風景や雰囲気、
エピソードを表す事が多いので
私は主人公が外から受ける刺激、「情景」を表すのだと理解しています。 大前提として画面のシーンや演出にあう音を
つけるということを踏まえて、
ポケモン楽曲は「道」と「街」では
「主人公の内面」と「外部的な要素」が
対比的に表現されていると考えサウンドで
表現していくことを基本に心がけています。 ■情景を色濃く■ 今回のグラフィックでの街の情景はゲームボーイの金銀の時の表現から
格段に進化していて、各街に色濃く特色が出ています。
アレンジも情景に合わせ、変化させて行くことを試みました。 ワカバタウンでは実際に風がふき、風車が回り
コガネシティでは施設が賑やかで、活気あふれ
エンジュシティでは紅葉が映え、瓦屋根があり、と ゲームボーイでは見えなかった風景や雰囲気が絵で具体的に表現されています。
楽曲もそれぞれの具体的な情景に合わせ、
例えばワカバでは「はじまり」とか「風」を
テーマに原曲をアレンジすることにしています。 場所によってはゲームボーイの原曲と大きく違うのは、
情景を大切にしているからです。
また、ヒワダやフスベのようにどちらも
片田舎的な情景では同じ雰囲気でも良いと判断して
同じ曲を当てていますが、原曲が同じだった
エンジュとタンバでは情景が似ても似つかないので
アレンジも2つ用意しています。 ■心情を想像する■ ここだけの話ですが…
想定される心情を表現しているのが、道の曲ということで
HG・SSの29番道路では、冒険的なアレンジを試みてみました。
もともとの29番道路は、ウツギ博士に
お使いを頼まれた主人公がポケモンと
初めて町の外に出かけてワクワクしているような楽曲です。 ワクワク感を表すのも、もちろんですが、
もう少し想定される主人公の心情を色濃く表してみようと
思ったのが今回のHGSSのアレンジです。
冒険を始めたばかりの主人公の心情を想像して「起承転結」を考えてみました。 「起」の最初の5小節は、
初めてポケモンと旅にでる主人公がいざ一歩踏み出しますが、
ワクワク感と同時に初めての事なので
少し不安も混ざっているような心情です。 次の「 承」の4小節で歩いて行くうちに
慣れていき心が不安が消えていき、
期待感に移り変わていく布石を表現しています。 次の 「 転」の4小節のでは、
主人公の気持ちはついに期待感に変わり口笛を
吹くくらい気分が高揚してきます。
口笛はフルートのメロで表現をしているところです。 そして曲がループするまでが「結」にあたるのですが、
曲にブラスが出てきて豪華になります。
高揚した主人公は
「これからどんな大冒険が待ち受けているのだろう!?」
との期待が高まり、ワクワクしながら意気揚々と歩き始めます。
しかし、ふと我に返ると草むらの中でポケモンと2人きり…。
連れ歩いているパートナーのポケモンが不思議そうに主人公を見てる。
ちょっと恥ずかしい…。そんな主人公の心情を想像しながら作りました。 ■リアルなドキドキ■ なかなかこういった要素や構成を曲だけで、
文章のように伝えるのは難しいです。
それでも、なぜこうしたのか?
なぜこのフレーズなのか?この音は何を表しているのか?
ということを極力考えながら、 アレンジや作曲に挑んでいます。 こうすることで、プレイヤーの皆様に
音楽からいろいろな心情や情景を感じ取って貰える
可能性が増えると思っているからです。
だから、いろいろな要素を考え詰め込んでいます。 また、楽曲の要素や構成に理由を作る事で
ディレクターやスタッフとイメージの話になった時でも
言葉を持って何故こうなっているのかが説明できます。
伝わり易くイメージのすり合わせがしやすい利点があります。 さて、私なりのイメージを持って
ウツギ博士の研究所のアレンジに挑んだ時の話です。
ディレクターの森本から見事に作り直しを命じられました!いわゆるボツです。
最初に挑んだアレンジの方向はウツギ博士のお茶目で
憎めない感じのキャラを出したく制作したので、
スローテンポでユーモラスな感じのアレンジにしました。
しかし森本から「最初にポケモン貰うのだから、
ドキドキワクワクな感じでしょ!」と言われ納得。
私は作り直しで締め切りにドキドキしながら、
ドキドキワクワクなアレンジにし直したわけです。 ワクワクは表現できなくともドキドキはかなり、リアルでした。 HG・SSはそんな、目では見る事のできない
想像を膨らます要素を沢山詰め込んだ作品です。 ゲームをプレイしている時に、
たまには操作を止めて曲に耳を傾けて頂き、
主人公の心情や、街の情景を自分なりの
想像で膨らまして頂けたら、これ以上嬉しいことはありません。
ちなみにHG・SSのサントラは明日発売です!
HG・SS公式サイトに[サントラの紹介ページ](http://www.pokemon.co.jp/special/hgss/news/12.html)もあります。 サウンドの一之瀬でした。
次の 『HG・SS 語っちゃいます!』もお楽しみに!
ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー(以下HG・SS)
ではサウンドリーダーを務めました。 「HG・SS語っちゃいます! その4」という事で、
HG・SSのサウンドのアレンジについてお話しします。
今回は語りたいことが沢山あるので長くなります。
サウンドにご興味のある方はお付き合いねがいます。 ■街は情景・道は心情■ ポケモンの道路の曲を作るにあたって
増田から伝承して貰った作曲をする上での考え方があります。
それは、冒険が進み遠くに行けば行くほど
道の音楽は壮大になっていくという考え方です。
この構造を私は、主人公の「心情」を表していると理解しています。 初めは、冒険初めの主人公は右も左も解らず
「ランランラン♪」と軽い気持ちでも、
ポケモンリーグに近づくにつれ逞しく
壮大な気持ちになってくるであろうからです。 また、町の楽曲に関してはその町の風景や雰囲気、
エピソードを表す事が多いので
私は主人公が外から受ける刺激、「情景」を表すのだと理解しています。 大前提として画面のシーンや演出にあう音を
つけるということを踏まえて、
ポケモン楽曲は「道」と「街」では
「主人公の内面」と「外部的な要素」が
対比的に表現されていると考えサウンドで
表現していくことを基本に心がけています。 ■情景を色濃く■ 今回のグラフィックでの街の情景はゲームボーイの金銀の時の表現から
格段に進化していて、各街に色濃く特色が出ています。
アレンジも情景に合わせ、変化させて行くことを試みました。 ワカバタウンでは実際に風がふき、風車が回り
コガネシティでは施設が賑やかで、活気あふれ
エンジュシティでは紅葉が映え、瓦屋根があり、と ゲームボーイでは見えなかった風景や雰囲気が絵で具体的に表現されています。
楽曲もそれぞれの具体的な情景に合わせ、
例えばワカバでは「はじまり」とか「風」を
テーマに原曲をアレンジすることにしています。 場所によってはゲームボーイの原曲と大きく違うのは、
情景を大切にしているからです。
また、ヒワダやフスベのようにどちらも
片田舎的な情景では同じ雰囲気でも良いと判断して
同じ曲を当てていますが、原曲が同じだった
エンジュとタンバでは情景が似ても似つかないので
アレンジも2つ用意しています。 ■心情を想像する■ ここだけの話ですが…
想定される心情を表現しているのが、道の曲ということで
HG・SSの29番道路では、冒険的なアレンジを試みてみました。
もともとの29番道路は、ウツギ博士に
お使いを頼まれた主人公がポケモンと
初めて町の外に出かけてワクワクしているような楽曲です。 ワクワク感を表すのも、もちろんですが、
もう少し想定される主人公の心情を色濃く表してみようと
思ったのが今回のHGSSのアレンジです。
冒険を始めたばかりの主人公の心情を想像して「起承転結」を考えてみました。 「起」の最初の5小節は、
初めてポケモンと旅にでる主人公がいざ一歩踏み出しますが、
ワクワク感と同時に初めての事なので
少し不安も混ざっているような心情です。 次の「 承」の4小節で歩いて行くうちに
慣れていき心が不安が消えていき、
期待感に移り変わていく布石を表現しています。 次の 「 転」の4小節のでは、
主人公の気持ちはついに期待感に変わり口笛を
吹くくらい気分が高揚してきます。
口笛はフルートのメロで表現をしているところです。 そして曲がループするまでが「結」にあたるのですが、
曲にブラスが出てきて豪華になります。
高揚した主人公は
「これからどんな大冒険が待ち受けているのだろう!?」
との期待が高まり、ワクワクしながら意気揚々と歩き始めます。
しかし、ふと我に返ると草むらの中でポケモンと2人きり…。
連れ歩いているパートナーのポケモンが不思議そうに主人公を見てる。
ちょっと恥ずかしい…。そんな主人公の心情を想像しながら作りました。 ■リアルなドキドキ■ なかなかこういった要素や構成を曲だけで、
文章のように伝えるのは難しいです。
それでも、なぜこうしたのか?
なぜこのフレーズなのか?この音は何を表しているのか?
ということを極力考えながら、 アレンジや作曲に挑んでいます。 こうすることで、プレイヤーの皆様に
音楽からいろいろな心情や情景を感じ取って貰える
可能性が増えると思っているからです。
だから、いろいろな要素を考え詰め込んでいます。 また、楽曲の要素や構成に理由を作る事で
ディレクターやスタッフとイメージの話になった時でも
言葉を持って何故こうなっているのかが説明できます。
伝わり易くイメージのすり合わせがしやすい利点があります。 さて、私なりのイメージを持って
ウツギ博士の研究所のアレンジに挑んだ時の話です。
ディレクターの森本から見事に作り直しを命じられました!いわゆるボツです。
最初に挑んだアレンジの方向はウツギ博士のお茶目で
憎めない感じのキャラを出したく制作したので、
スローテンポでユーモラスな感じのアレンジにしました。
しかし森本から「最初にポケモン貰うのだから、
ドキドキワクワクな感じでしょ!」と言われ納得。
私は作り直しで締め切りにドキドキしながら、
ドキドキワクワクなアレンジにし直したわけです。 ワクワクは表現できなくともドキドキはかなり、リアルでした。 HG・SSはそんな、目では見る事のできない
想像を膨らます要素を沢山詰め込んだ作品です。 ゲームをプレイしている時に、
たまには操作を止めて曲に耳を傾けて頂き、
主人公の心情や、街の情景を自分なりの
想像で膨らまして頂けたら、これ以上嬉しいことはありません。

HG・SS公式サイトに[サントラの紹介ページ](http://www.pokemon.co.jp/special/hgss/news/12.html)もあります。 サウンドの一之瀬でした。
次の 『HG・SS 語っちゃいます!』もお楽しみに!
